アナタは部下や後輩に仕事を教える時、どんなことを心がけていますか?
「仕事は見て覚えろ!」みたいに部下を追い立てて指導してたりしますか?
「好きなようにやってみな。任せるよ」と本人の意志に任せきりにして放置していたりしませんか?
人に物を教えるのって、難しいなーと思うこと、ありますよね。
もちろん僕もそうです。
今日は僕がこれまでの社会人経験の中で、人に教えるときに気をつけていることをお話します。
「どうやって教えるか?」
というテクニックの前に、「どのような心構えで教えるべきか?」
という点にフォーカスを当ててみます。
部下や後輩に何かを教える時に大切なこと。それは…
まず、僕は人に何かを教えるという点で、他の人よりちょっと多く経験があります。
というのは、社会人になってすぐ、縁があってHTMLやWebプログラミングの
基礎を教えるお仕事をしていました。
数人単位の講座を受け持って講義したり、課題実習の講座の教室を回って生徒さんの質問に答えたりして、
累計で200人くらいには教えました。
その後、Web系の制作会社に勤務することになり、部下や後輩にあたる人に業務や技術を教えたり。
こう見えて、「人に何かを教える」
ということに関してはちょっと経験が多めです
で、「教える」と一口に言っても、同じこと話して人によって伝わることもあれば伝わらないこともある。
抽象的な例えで概念を話して理解してくれることもあれば、具体的に手順を1から順になぞって、それを何度か繰り返してやっと理解できたり。
その場でわからなくても
後日もう一度説明したら
割とすんなり理解できたり。
人によって様々です。
ただ、共通して僕が人にものを教えるときに大事にしていたのは、
- 「同じ話を何度も聞いてもOK!」
- 「相手の話を頭から否定しない」
- 「(あ、これわかってなさそうだな・・・)と思ったらこちらから聞いてみる」
ということです。
つまり、受講する方々に「安心感」をもってもらうことでした。
なぜそうしていたかというと、
「人は不安感が強いと頭が働かなくなる」と思ったから。
なぜ人に教える時に安心感が大事なのか?
アナタも勉強や部活や、仕事で
怖い指導係、先生、先輩、上司など、過去に出会ったことがあると思うのですが、技術や学習内容を聞くとき、怖くて萎縮してしまうことって無かったですか?
本当は質問したいけど
「これがわからない。でも叱られたらどうしよう…」
「これ聞きたい。でも自分で考えろ、と言われたら…」
「なんか表情が険しいな。質問しづらい…」
とか。
気にしないで質問できる人もいるかもしれませんが、「怖い!」が先に立って、黙り込んでしまったりしたことはないですか?
(で、あとで結局叱られることになって更に後悔する、と…)
ちなみに、僕はまさにそんな風に、「萎縮して質問できないタイプ」でした。
というか過去だけでなく
今もそういうときあります。アラフォーですが。笑
指導側がそういう高圧的な態度でいるとその場が必要以上に緊張感のある場になってしまう。
そうなると、本来もっとスムーズに伝達できたことができなくなってしまう弊害。
これってどっちとってもマイナスではないでしょうか?
それならば。
「『こんなこと聞いたらおかしいかな?』と思うことほど、むしろ質問してきてくれ!大丈夫!」
そう思ってもらえたら、質問者も安心して質問できる。
だけじゃない。
じゃあ、あれは?これは?
と疑問点が次々に沸いてくる。
もちろん、全部答える。
知識が広く深く共有される。
しかも、その場に人がたくさんいるほど、それは拡大する。
良い事づくし。
アメリカ人の教師みたいなイメージですね。
「良い質問だね!」
「ナイストライだね」
「それも良いアイデアだけど、こういう風にも考えられないかな?」
「よくそこまで知っていたね!もう一歩だったよ」
こんな風に言われたら、お互いとても話しやすいと思いませんか?
部下側や指導を受ける側が高圧的になりすぎると、指導者を怖がって萎縮してしまい、報告すべきことをしなかったり、最悪、トラブルを隠蔽するような人が出てきます。
こんなことでは、本来ボヤで済むはずだった火事に、
ガソリンをまくようなもの。
誰の得にもなりません。
安心感は大事だけど、気をつけないといけないこと
もちろん、良いことばかりではないです。
「次から次へ湧いてくる疑問点がの対処にとんでもない時間が取られる」
「同じことを本当に際限なく聞いてきちゃう人がいる」
「人が多すぎると収集がつかなくなる」
丁寧に、親切に受け答えすればするほど、それは確かにありますね。
でもそこはうまくコントロールするのも
指導側の力量。
こんなフレーズを覚えておくと助けになります。
「ごめん、ちょっと今すぐはわからないので、後で調べて伝えますね」
「申し訳ない、先に対応しないといけない人がいるので後でもう一度話に言っても良いですか?」
「すみません、これは僕では対応できないのでちょっと他の人と相談させてもらってからまたお話しても良いですか?」
と、今はどうしても対応できないことを伝え、後で自分から話に行くことを伝える。
こうすると相手も安心します。
(※もちろん後でちゃんと話をしに行ってくださいね。忘れると信頼度が大ダウンします!)
ちなみに偉そうに言ってますが、僕はこの手のコントロールはあまり上手くはなかったです…。
あとでメールでの対応にしたり、次回に持ち越しにしたりして対処してましたが。
でも指導側が高圧的に振る舞っていて、参加者が萎縮しているような場所より、
その場が「安心できる場所」になっている方が知識共有もスムーズにできる。
と僕は思うのです。
怒鳴ったり、尻を叩いたりするばかりが指導じゃない。
そもそも僕が好きじゃない。
指導の場って本来
「速やかで正確な知識の共有が目的」だと思うので、どっちがより目的を果たせるか、ということです。
まとめ:人に教える時は「その場が安心して質問と対話できる場所」だと思ってもらおう
人に何かを教えるという行為は根気と時間が必要です。
教えたことの10分の1も伝わらないこともザラにある。
それでも
自分が教えたことが伝わったり、自分がいたことで理解が早まったりした姿を目にすると、僕はとても嬉しく感じます。
「ああ、頑張って指導内容考えてよかった!」
「一生懸命伝えて良かった!」
なかなか人が育たない、伝わらない、という方。
「和やかで安心感のある指導の場」
を作ってみるのを試してはいかがでしょう?
一度じゃダメですよ。
一ヶ月間くらい継続してみましょう。
少しずつメンバーの様子も変わってくる。
「急がば回れ」の精神です。
遠回りでも最終的にはきっとチーム全体が効率よく動くようになるはず!
教えることの極意は80年前の言葉にあり!
ここで
「教えることの極意」について、約80年も前に言葉を残した人がいます。
その人の名は山本五十六氏。
「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」
山本 五十六
山本五十六 – Wikipedia
やまもと いそろく、1884年〈明治17年〉4月4日 – 1943年〈昭和18年〉4月18日)は、日本の海軍軍人。最終階級は元帥海軍大将。第26、27代連合艦隊司令長官。
前線視察の際、ブーゲンビル島上空で戦死(海軍甲事件)。
ざっくり言いますが要するに、第二次世界大戦中の旧日本海軍の偉い人です。
軍人さんです。
旧海軍の軍人さんといえば、昭和前半という時期からして、厳しい指導と、何か手違いがあれば恐ろしい叱責を受けそうな
印象がありますが、そうではなかった。
彼が残した言葉を見ればよくわかる。
「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」
- まず指導者側がやってみせる。
- 次に言葉で説明する。
- そして指導を受ける側の人にやらせてみる。
- 最後にやったことを褒める。
「そうしないと、人は動かない」ということ。
どうでしょうか。
僕はこの言葉を初めて耳にした時、
これこそ、指導者のあるべき姿、教えることの極意だ!
と感銘を受けました。
指導側の思ったように動いてくれない場合、この4つのどれかが抜け落ちているかもしれません。
教えることが難しいと感じているアナタにオススメな記事はこちら!
教えることが難しいと感じているアナタ。
他にも部下との関わり方や、仕事の取り組み方について記事を書いてみました。
興味があればぜひ読んでみてくださいね。
安心感。つまり「心理的安全性」の大切さに付いて書かれた本をご紹介!
いつも安心して話せる人になっておくメリットについて書かれた本も
たくさん出版されています。
昭和、平成、令和ときて、大昔のように怒鳴りつけたり、恐怖で人を支配すれば成功できる時代は終わりました。
興味ある方はぜひお手にとって読んでみてくださいね