こんにちは!
すあんです。
今日も模索していきましょう🙂
今日は書評です。
取り扱うタイトルはこちら。
「書評:10歳でもわかる問題解決の授業」。
なんともわかりやすいタイトルですね。
わかりやすい本が僕は好きです。
■10歳でもわかる問題解決の授業の主な内容
アナタは「問題解決能力」高いほうですか?
と聞かれて「問題解決能力…。自信ないなあ…。」
と思った方。
結構多いのではないのでしょうか?
本書はそんな「問題解決能力」とはそもそも何だろうか?
何ができたら高いと言えるのだろうか?
そして問題解決能力を身につけるにはどうすれば良いのか?
そんなことをわかりやすく、読みやすく
解説、紹介してくれます。
紹介だけでなく、ケーススタディのような形を取っていて、読者も考えてみるように構成されているのが良いですね。
問題を解決するには考え方や手法を知るだけでは意味が無いのです。
実践が大事。
内容2部で構成されています。
第1部 ”問題”とは何か?解決のために取り組むことは何か?
そもそも問題とは何なのでしょうか。
何に困っているのか?
何が障害になっているのか?
それを明らかにすることがまずは重要。
そして、解決にあたって100%正解の答えがどこかに転がっているわけではない。
特に現代のように情報がほぼ無限に得られる時代では情報を集めるには事欠かない。
しかし情報ばかり集めても正解はわからないもの。
例1:
アナタがとある企業の営業マンで、
会社の営業成績が悪いので契約を取れるようにしたい。
例2:
とある高校の生徒が、数学の成績が悪い。
試験で高得点が取れるようにしたい。
さて、これらはどこにどんな問題があるでしょうか?
そして問題がどこにあるか分かったとして、どうやって解決に向けて取り組むのか?
第一部ではその基本的な考え方について、説明がされています。
この記事でも
結論を言ってしまうと、重要なことは“仮説を立てて検証すること”
です。
「これは○○の問題だろうから、■■すれば解決するのではないか」
という仮説を立てて、行動して、計測して、検証する。
100%正しく判断できる情報というものは無く、動かないまま、頭の中で考えてウンウン悩んでいるよりも
何かを動かして、結果を見て次の行動を起こしていこう、というわけです。
なぜ多少の間違いやミスがあっても、動かすべきなのか?
動かしてみることで何がわかるのか?
そのあたりは本書の中で
詳しく掘り下げられています。
また、問題解決にあたって有効な手法(フレームワーク)である、「SCAMPER」「ロジカルシンキング(演繹法と帰納法)」
などについても事例を交えて紹介されています。
問題解決に取り組むのも良いけど、闇雲に行動をしたり、解決策を考えるのではなく、効率よく考えましょう、そしてそれにはちゃんと先人の知恵があるので
利用しましょうね、ということです。
第2部 正しく問題を設定し、解決のための打ち手を考える。
後半の2部では解決のための
打ち手の出し方について紹介されています。
洗い出された問題に対して具体的にどうやって解決するのか?
つまり”打ち手”を考えるということですね。
例えば営業成績が悪い営業マンに対して、「営業成績を上げましょう」
というだけで成績が改善されるでしょうか?
…されませんよね。笑
営業成績が悪い営業マンがいる。
それはどこに問題があるのか?
それに対して適切な”打ち手”は何か?
「他の人の営業資料を使ってみる」
「別の会社の営業成績が良い人の真似をする」
上司から支持される場合の
打ち手としてはよくある指導ではないでしょうか。
コレ自体が悪いのではなく、「問題がどこにあるのか曖昧なままで打ち手が提示されている」
のが問題なのではないでしょうか?
問題点はもしかしたら
ぼんやりした営業の”やり方”ではなく、営業に向かう地域などの”場所”が悪い、とか、または訪問の”時間”が見込み顧客と合っていない、とか。
もしかしたら
家庭に問題があって仕事に集中できないとか。
問題点の設定が曖昧だったり、ズレていたりすると解決に至らないどころか迷走するわけです。
重要なことは”現象”と”論点”の違いです。
「営業成績が悪い」のは現象。
論点を具体的にどこに設定するかが問題解決のカギになる。
“問題の解決のための打ち手”を考える。
正しく設定された問題とは先程の営業成績が悪い営業マンで言えば、
・実は、提案のシミュレーションが不足していた。
→ 上司か同僚にロープレしてもらう。
・実は、お客様と関係が構築できていなかった。
→ 打ち手:接触頻度を月1度から隔週の月2回にする。
・実は、疲労が溜まって仕事のモチベーションが低かった。
→打ち手:休暇を与える。
これが問題解決とその打ち手
ということです。
こうやって書くと当たり前のように思えますが、実際のお仕事の場面では意外とこういうことが見落とされている気がします。
正しく問題解決と打ち手を出すには”WHY?”の質問
問題点を洗い出すポイントとしてはWHY?(なぜ?)の質問が重要です。
問:営業成績が上がらないのはなぜか?
→ 稼動内容に問題がある。
問:稼動内容に問題があるのはなぜか?
→ モチベーションが低い。
問:なぜモチベーションが低いのか?
→ 会社の体制が合わないと思っている。
問:会社の体制に対してどうするか?
→ 自分が変わるか、会社を移るか?
ここまで掘り下げると問題点の本質が見えてくると思います。
詳しくは本書を見ていただきたいと思いますが、実際に練習問題を小学校6年生に提示した例も
触れられています。
そして問題に対して、どのように打ち手を考えるかの
フレームワークも紹介されています。
問題解決のフレームワーク
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)
VC(ヴァリューチェーン)
WILL・CAN・MUST(ウィル・キャン・マスト)
etc…
などなど。
闇雲に問題に対して考えるより、要素を分解して枠に当てはめ、その上でどうするかを考えるわけです。
何もない状態ですべて自分で1から考えるよりは効率よく打ち手にたどり着けるのではないでしょうか。
■読んでみてどうだった?
「”問題解決能力”とは
つまりどういう能力なのか?」
についてとてもわかり易く
総括的にまとめられていました。
練習問題の紹介も多く、読みながら問題を解決する能力を養うことができる構成になっていたと思います。
ただ、ちょっと気になったところを言えば、フレームワークを用いての
問題解決の手法が当たり前のように出てくる
ので、そこは少々面食らったかもしれませんね。
僕が小学生のころだったら、確実に理解できてないですね…。笑
全体としては、「問題の設定とそれに対する打ち手」
をどう導き出すか?
という主題は一貫していましたので、フレームワーク云々はさておいても、考え方は学べると思います。
まとめ:”問題”を”解決”するために。
というわけで
書評:10歳でもわかる問題解決の授業
でした。
「これからの社会は問題解決能力が重要になる」
ビジネス系のニュースサイトを見てたり、TwitterなどのSNSを見ていたりすると、多分どこかで目にしたことがあると思います。
問題解決能力とはどんなものか?
そして、問題解決能力を鍛えるには何をすればよいのか?
問題解決能力ってなんだろう?
身につけたいけど、難しそうな本はちょっと…
という方、本書を読んでみてはいかがでしょう。
文章も平易で読みやすいと思いますよ🙂