書評:天才を殺す凡人/著・北野 唯我 職場で悩むすべての凡人へ

職場で悩む凡人に光を。書評:天才を殺す凡人 著・北野 唯我 
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どーも。すあんです。今日も模索中です🙂

今日のお題は「書評:天才を殺す凡人 著・北野 唯我」
です。

タイトルが”天才を殺す”となかなか刺激的です。

しかし、書いてある内容は職場のよくある悩みを凡人の視点から見て、「どう捉えるのか?」
「どう行動するのか?」
というビジネスパーソンの立ち振舞いを追っていく
物語仕立ての内容になっています。

なので読みやすかったですね。
2時間くらいで一気に読んでしまいました。

トラブルの内容も
会社勤めをしていれば全く同じではなくても
近いケースはあると思いますので
身近に感じることもできるでしょう。

この記事はこんな人に参考になると思います。

話題になってるけど「天才を殺す凡人」てどんな本?
職場で評価されない。でもどうしたら良いかもわからない…。
今の職場の居心地が悪い。このままで良いのか不安…。

もくじはこちら!

■天才を活かすも潰すも凡人次第…かもしれない。

アナタはふだんお仕事をしている時、こんなことを考えたことはないですか?

  • ああ、あの人はすごいな。それに比べて自分は…。
  • なんか職場の雰囲気悪いなあ…。
  • 何をやっても評価に結びつかない。どうすれば…
  • 自分はこの職場でどんな風に動けば良いのだろう…

あるあるじゃないでしょうか。
もちろん、僕はしょっちゅうありますよ。笑

この本では架空の人物による物語形式で
お話が展開されます。

この本が伝えたいことはつまり
こういうことなのではないかと。

凡人も秀才も天才も。
それぞれの役割があり、それぞれの相乗効果で人類は進化してきた。

しかし三者が相互理解をするのはカンタンではない。

凡人は天才の才能を理解できず、ときに才能を潰してしまう。
天才は凡人たちに理解を求めるが同時に自分がなぜ理解されないかがわからない。

重要なのは相互理解をどうやってするかよりも、それぞれの特性を活かして
どうやって課題に取り組むか。

そしてキーになるのは凡人なのかもしれない。

凡人、秀才、天才を著者自身の独自の基準で
分類、定義付けを行い、相互にどのような関係にあるのか。

そしてどのように立ち振舞い、どのように影響しあっているのか。

そして、”いかにして凡人は天才を死に至らしめる”のか
凡人が果たす役割は何があるのか―。

という内容かなと。

大まかに内容を触れつつ、僕なりの感想をまとめたいと思います。

■本書の構成とあらすじ

本書の構成とあらすじ
本書の構成とあらすじ

大まかな構成ですが、内容は論文調ではなく物語形式になっています。

作中の登場人物はすべて架空の人物ですがどこかで見たことあるような
親近感の湧く人物ばかりです。

登場人物と大まかな内容

<登場人物>
主人公 青野トオル
…架空のベンチャー企業CANNAに勤める広報担当。
上納 アンナの才能に惚れ込んでいる。

ケン:渋谷のハチ公像でしゃべる(!)
…青野が職場での悩みを相談する師匠(?)

上納 アンナ:ベンチャー企業CANNAのCEO
…30代後半の女性。直感に優れるやり手のCEO。
しかし最近は立ち上げた事業の連続赤字など、かつての勢いがなくなりつつある。

神咲 秀一:最高財務責任者
…2年ほど前に入社したエリート。
CANNAの財務を管理、上納アンナに経営について厳しく追求する。

上山:経理財務部長
…神咲の部下。CANNAの財務の実務を担当する。

横田:青野の同期社員。
…上納アンナの才能に惚れ込む青野を嗜めつつも協力する。

「架空のベンチャー企業CANNA」
画像認識と音声認識などの技術を駆使したサービスを提供する企業。
上納 アンナが立ち上げた。

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導入部分:
週刊誌にCANNAのCEO上納 アンナの発言を叩く記事が掲載される。
主人公青野はCANNAの広報担当。
経理財務部長の上山から広報担当としての業務改善を厳しく追求され、肩を落とす。

青野は上納アンナの才能に惚れ込んで入社した。
彼女は天才。
上納アンナが、その才能が今、潰されようとしているが、青野にはどうしようもできない。

「…転職しようか?」
と悩みながら
雨に振られて歩く帰り道。

ふと顔をあげると、ハチ公像。

藁にもすがる思いでハチ公像に「上納アンナを救いたい!」と願うとハチ公像から「その願い叶えてやるワン!」
という返事が聞こえる。

こうして青野とケンは自分の才能と他人の才能、
そして人々と才能がどう関わっているのか
を一つずつ紐解いていく―

…これだけ読むと「めちゃくちゃな設定だな」と思われるかもしれませんが、フィクションで構成されているので
そこはわかってもらいたい。笑

こんな風にまとめてしまうと、なんとも荒唐無稽ですが、実際に本を読めばそんなに不自然に感じないと思います😅

お話の進み方

青野が上納アンナを巡る
会社での問題を家に帰ってケンに相談する。

ケンはそれに対して回答、解説をして次の打ち手を提示する、または青野に気づかせる。

という
青野のアクションとケンによるフィードバックの
サイクル

物語は進みます。

■ 天才、秀才、凡人。3つの才能とその関わり

天才、秀才、凡人。3つの才能とその関わり

物語が進むにつれ、天才、秀才、凡人。3つの才能とその関わり人間の持つ才能について、順に解説されていきます。

それぞれがどういう関わりをしているか、どういう特性を持っているか。

会社の中で、天才、秀才、凡人の3種類の分類になっていて、会社が成長するに従って、構成も変わってくる。

天才、秀才、凡人。3つの才能の構成
天才、秀才、凡人。3つの才能の構成

天才、秀才、凡人はそれぞれ
人間社会の中ではこのような構成かなと。

そして三者にはこんな特性があると本書では紹介されています。

天才、秀才、凡人の特性と評価基準

 創造性再現性共感性
ビジネスにおける価値創造拡大お金にする
担当する才能天才秀才凡人
価値の指標、KPIない。
測るものさし、指標がない
事業KPI
CVR、生産性、LTVなどプロセス指標
財務・会計KPI
PL、BSに載せることが可能な指標

このように分類になっております。
なんとなく
わかりますよね。

これらはそれぞれ役割が異なるだけで
優劣の差ではありません。

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天才の仕事は見えているものが違うので測る指標がない。
評価できるとしたら未来の人類。
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秀才の仕事は短期的な結果よりも長期的な結果。
計画を立ててそれを実行に移す仕組みづくりが得意。
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そして凡人の仕事はどちらかというと
短期的、直近の結果で評価されやすい。
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というところでしょうか。

そして、三者の感情の相関関係はこんな感じです。

天才、秀才、凡人の感情的な相関関係

天才、秀才、凡人の感情的な相関関係
天才、秀才、凡人の感情的な相関関係

お互いに相反する感情があるわけです。
内心は複雑ですね。

こんな感情が向いているにもかかわらず、天才は凡人や秀才とは見えているものが違う故に、理解されない。

見えているものが違う故にコミュニケーションが成り立たないはず。
しかし会社の経営ではこの三者のコミュニケーションは成り立っている。

それはなぜか。
天才、秀才、凡人の図を見てみると、3つの円が重なっている部分がありますよね。

この中間に位置する
タイプの人間がいて上手く間を取り持っているため、コミュニケーション不全で崩壊しないのです。

天才、秀才、凡人の間に立つ、アンバサダー

三種の中間種「アンバサダー」
三種の中間種「アンバサダー」

三種の中間種「アンバサダー」

  • 最強の実行者
  • スーパーエリート
  • 病める天才

天才のアイデアを秀才がカタチにして拡大する。

天才が生み、秀才が拡大させる。では凡人は?

天才は創造性。
秀才は再現性。
では凡人中の凡人の才能は?

…それは「共感性」です。

ただし、ここに行き着くには三者の特性と中間者の特性を理解していることが前提です。

ただの応援者、支援者とは異なります。
共感力を持つ凡人の仕事とは、わかりやすく言うと

根回しおじさん

と例えられています。

才能ある人物の側で
裏方でサポートに徹する人。

本書の言葉を引用しますと、

「天才は共感の神に支えられ、創作活動ができる」

参謀役ともちょっと違う。
天才を影に日向にささえ、それに加えて関連する部署や人の調整を喜んでできる人。

共感力を持つ、純粋な応援者。
こういうタイプの人、わかりやすい例が出てこないのがもどかしい。

天才とその共感者。

スティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏。
ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏。
本田宗一郎氏と藤沢武夫氏。

いずれも似てるけどちょっと違うような。
表には出にくいタイプになるかもしれません。

作中で例えられていたのは作家 太宰 治氏と彼と心中した女性がそれだと例えられていました…😅

登場人物が果たす役割を考えてみよう

ここまで読むとわかると思いますが、登場人物はそれぞれの役割を与えられています。

天才、秀才、凡人、スーパーエリート、最強の実行者、病める天才。

青野トオル、上納アンナ、神咲秀一、上山、横田、それぞれがどの種類に当てはまるのか、考えてみると面白いと思います。

本書内には答えも書いてあります。
ちなみに…しゃべるハチ公ケンはどこになるかというと、これは読んでのお楽しみ。笑

フィクションなので
誇張されているところもありますが、伝えたいことはわかると思います。

■職場で自分の才能に悩む人へ

職場で自分の才能に悩む人へ
職場で自分の才能に悩む人へ

自分の才能がどれに当てはまるのか、悩んでいる人は上記の分類を思い浮かべて、自分や、周りの人がどこに当てはまるのか
考えてみると良いかもしれませんね。

僕はこの本を読んで、それぞれのタイプに当てはまりそうな人の顔を思い浮かべ、そして書き出してみました。笑

さすがに見せられませんが。笑

天才、秀才、凡人。
さらにその中間にいるアンバサダー種
最強の実行者、病める天才、スーパーエリート。

アナタの周りにも居ませんか?
それぞれのタイプに当てはまりそそうな人。

タイプにわけて接し方を変えてみたらどうなるか?

もしかしたら
アナタの評価が変わるかもしれないし、お互いの接し方も変わるかもしれません。

まとめ:自分のタイプと特性を理解して周りとの関わり方を変えてみる。

自分のタイプと特性を理解して周りとの関わり方を変えてみる。
自分のタイプと特性を理解して周りとの関わり方を変えてみる。

というわけで
「書評:天才を殺す凡人 著・北野 唯我」
でした。

正直、かなり頑張ってまとめてみましたが、記事を読み直してみて思うのはこれでも全体の4割くらいしか紹介できていない気がしています。

物語形式だったので、割とさくさく読み進めることができたのですが、この本、内容としてはかなり濃かった印象です😅

本書で面白いと思ったのは凡人、秀才、天才の関係を体系立てて図解され、それぞれがどう関わっているか、それぞれがどういう感情を持っているかがわかりやすく記載があったことですね。

職場で
「こういう話聞いたことあるな」
「こういう人いるよな」
と思ったことはあると思います。

でも、こんな風にそれぞれの才能として、体系立てて解説されることってあまり無い。

もう一つ本書で
「たしかに!」と思ったのは

凡人、秀才、天才は主張する時、主語が全く違う。

凡人…私が~(私達は~)
秀才…ルールは~(会社としては~)
天才…世界は~(未来は~)

この箇所を読んだ時、ゾワッとしました。

「ああ、だからあの人には僕の主張は聞いてもらえなかったのか…」

と思い当たることがあったのです。
(ちなみに僕はほぼ間違いなく凡人タイプです😅)

僕はまず
「自分がどう思うか?」を最初に考えるので、主語は”私”。
しかし話した相手は秀才タイプ。
「それ会社としては●●だから■■にするのはどうですか?」
と言われ、僕としてはちょっと腑に落ちない、ということがありました。

僕の主張はいかにも凡人タイプですし、相手の回答も秀才タイプっぽいです。笑

相手がどんな主語を好んで使うのか。
使う主語で相手がどのタイプか切り分けもできるかもしれませんね。

そして、もう一つ。
「凡人には凡人の武器がある」

強い共感力をもつ凡人の武器。
それはなにか。
本書では、

凡人にしか抜けない 最強の剣、エクスカリバーがある

とまで言われておりましたが。笑
それは本書にて確かめてみてくださいね。

そんなに大それたものではありませんが、たしかに共感性の特性を持つのなら、武器になりうるかもしれない、と僕も思いました。

もしアナタが自分の才能について悩んでいて

話題になってるけど「天才を殺す凡人」てどんな本?
職場で評価されない。でもどうしたら良いかもわからない…。
今の職場の居心地が悪い。このままで良いのか不安…。

こんなことに悩んでいるならば、一度読んでみてはいかがでしょうか。

凡人が活躍できるシーンとやり方について、ヒントを示してくれるかもしれません🙂

でも全体的にちょっとわかりづらかったかも…

面白い要素が盛りだくさんだったのですが、全体的にちょっとわかりづらかったかもです…。

物語形式で話が進み、青野とケンのやり取りで
才能についてを解説される。

わかりやすい構成だったと思いますが、全体的にちょっと内容があっち行ったりこっち行ったりしてちょっとばかり
分かりづらく感じたというか。

たぶんですが、この物語形式を取っているがゆえ
さくさく読み進みましたが、実はかなり濃い内容を広範囲に渡って抑えてある
のではないかなと感じました。

どのパートも気づきや学びが多く、読み直してまた再発見がある、という、実は読み応えのある本です。

さて、もう一度読み返すか…。笑

補足:本書の構成と付録

本は全体で270ページくらい。
で、物語部分は210ページで終わり、あとはこの本の解説と本書のもととなった
著者・北野 唯我氏のブログ記事、そしてこれがちょっと面白かったのですがブログ記事を読んだ方の感想も20件くらい?
掲載されております。

書籍にこのような感想を載せるのってなかなか珍しいですよね。

おもしろい試みでしたね🙂

職場で悩む凡人に光を。書評:天才を殺す凡人 著・北野 唯我 

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この記事を書いた人

愛知県在住のアラフォー男。独身。
30代後半で仕事にも人生にも行き詰まり、何かできることはないかと思ってブログを始める。

3年でやっと100記事達成の超マイペース。

読んだ本、買ったガジェット、行った旅行先、その他お仕事で壁にあたったときの経験を記事にしています。
1記事、1文章でもアナタのココロに響けば嬉しい(^^)

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すあん|note
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