どーも、すあんです。今日も模索中です🙂
今日のお題は劇場アニメーション作品:
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)
の感想です。
この記事はこんな人に参考になると思います。
ハードでシリアスなアニメって無いかな?
ちょっと古くても良いから、面白いSFアニメ作品を教えて!
人と情報の関わりみたいな社会的な課題を取り扱った作品が観たい!
この作品を見たのはもう25年も前になるのか…😅
年取ったなあ…。笑
攻殻機動隊ってどんな映画?
この作品も何度か
地上波アニメ、劇場版、OVA作品などで
展開されていますね。
ただ、僕が今日オススメするのは初めて攻殻機動隊が映像化された、1995年の劇場作品、GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊です。
僕が見たのはもう20年以上前にレンタルビデオで見た作品ですが、今でも印象深い作品です。
(当時はVHSのビデオテープ!もう若い人はわからないだろう!笑)
一言で言えば「近未来サイバーアクション」
ですね。
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊のあらすじ:
舞台は西暦2030年くらいの日本。
作品冒頭の言葉を借りると
企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報化されていない近未来
高度に情報通信ネットワークが進んで
体や脳そのものを機械化する”義体化”をするのが珍しくない社会。
情報のやり取りが機械と人間の間でも大きく進み、自己の存在の垣根が曖昧になっている社会。
しかし情報化が進んだことで、電子的な情報の改竄や不正利用、テロ行為などの電脳犯罪が起きるようになっていた。
主人公は内閣府直属の公安組織 公安9課の隊員、草薙素子。
素子はとある事件を追ううちに、「人形遣い」と呼ばれる
容疑者に接触することになる。
人形遣いは不特定多数の人間の電脳を乗っ取り(電脳ハック)、意のままに操って、犯罪に加担させることを得意としていた。
人形遣いを追ううちに明らかになる策略と陰謀。
そして素子自身も
曖昧だった自己の存在について向き合うことになる。
はたして人形遣いとは何者なのか?
人形遣いとの邂逅は素子に何をもたらすのか―?
この作品のオススメなポイント
オススメなポイントはストーリーとテーマ、あとはキャラクターですね。
重厚なテーマと複雑に絡むストーリー
ご存知の人も多いかもしれませんが、この作品の監督、押井 守氏は「テーマは重く、ストーリーはやや難解になりがち」
というなかなかステキな(笑)作品を作る傾向があります。
だがしかし。
日常系のまったりゆったりアニメや
単純明快なアクションモノばかりを普段は見ていて、ちょっと退屈に感じてたりしませんか?
ある日突然、こういう重厚な作品に触れたりすると「こんな作品があったのか…!」
という謎の感動があったりします。
この映画で描かれるテーマは「情報と人間がどう関わっていて、そしてそのあるべき姿とは何か?」
ということだと僕は思います。
人間の身体、全身全てを機械化できるようになったため、機械と人、情報の伝達技術がより直接的になったことで
”自分自身”をカタチ作っている「境界」が曖昧になる。
人は他者がいるから自己を認識できる生き物。
記憶すらも自分の体の外に出せるようになったとき、
「では自分とは何か?どこからどこまでが自分か?」
という人間の根源的な欲求である、アイデンティティー(自己存在の意識)に大きな揺らぎが生じる。
作中で主人公 草薙素子と対峙する
敵役、人形遣いがこう言います。
人は記憶によって個人たる。
【GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)】より。
記憶の外部化が可能になったとき、あなた方はその意味をもっと真剣に考えるべきであった。
と。
記憶を体の外の媒体、ストレージに置くことを可能になったら。
記憶が自分のものだ、という確証が得られなくなったら。
一体人間は何をよりどころに自我を保てるのか?
さらに。
機械も進化が進み、”自我”と呼べるような知恵を機械側が獲得してしまったとき、人間とどう接触しようとするのか。
2010年代以降で急激に社会に普及したAI(人工知能)。
AIが真に自己認識を獲得としたら人とどう接するのか。
興味は尽きませんね。
そんな深いテーマを内包しつつも、
それを踏まえた上で
ちゃんと「アクション映画」としての
見せ場もちゃんとあり、作品全体としてまとまっているので
シンプルにエンターテイメントな作品としても楽しめる。
映画としての完成度はとても高いのではないかなと。
見たあとに色々考察や思考をしたくなるような
哲学的で重厚なテーマと複雑なストーリーで構成された
極上のSF作品と思います。
キャラクターの魅力
主人公草薙素子を始め、相棒のバトー、同僚のイシカワ、トグサ。荒巻課長。
そして人形遣い。
それぞれにしっかり見せ場があり、役割分担もきちんと分かれていて、しかもキャラクターも魅力的。
誰かにはきっと感情移入できます。
(僕個人は人間くさいトグサが好きかな)
作品の中盤で
素子とバトーが船の上で
静かに語り合うシーンがあるのですが、言葉を交わす二人が微妙な距離感で、個人的にはこの映画の一番好きなシーンです。
10代のころ、このシーンをみても
ほとんど何も思わなかったのですが最近、このシーンが「このシーン、なんかしっとりしてて雰囲気良いなあ…」
と思えるようになりました。
(僕も年を取ったようです。笑)
アクションばっかりドンパチやってるだけでは無く、こういう静かなシーンがあるのも良いですよね。
ちなみに、素子役の声優さんは田中敦子さん、相棒のバトー役の声優さんは大塚明夫さん。
当時からすでにある程度名が知られていた印象もありましたが、今やお二方とも、超有名声優さんですね。
二人の演技も相まって、オトナの男女が静かに語り合う雰囲気がよく出てると思いました🙂
この作品のガジェット
この作品のガジェットと言えばもうこれしかない。
「光学迷彩」!
どんな技術か、ひとことで言うとシンプル、「透明人間になれる技術」
ですね。
この作品のあとに似たような表現のものがたくさん出ました。
それくらいインパクト大な映像表現だったのではと。
もう一度、PVの冒頭を御覧ください
このね、左手をゆっくりかざすように振って徐々に周囲の風景に溶け込んで透明になる表現。
シビれます。少佐、カッコイイ!(※少佐は草薙素子の呼び名です)
あとは、全身機械化(サイボーグ化)している
主人公の草薙素子がそのまま象徴的なガジェットかもしれませんね。
作中、とある容疑者を追跡中に、車の運転をトグサから助手席の素子が「運転もらうわよ」
と言って車の運転を奪うシーンがあります。
素子は自分の首の後ろにあるコネクタと車を直結させて、運転。
まるで車の端末に吸い込まれるような描写とそこから電脳空間に視点を移し、車と追跡する目標とを俯瞰する映像になります。
「おー、電脳空間で見るとこんな風になるのかー」
と見事に表現されていると思いました。
このシーンで視聴者は作品に一気に引き込まれるでしょう。
観客から主人公の視点へのスムーズな引き込み。
映画としての見せ方、映像表現としての描写を両立させる、見事な演出でした
ここがあともう一歩!というところ
これは僕が個人的に押井守作品全般に思うところですが
「一度見ただけだとわからんことが多い!」
ですね。笑
同じように思う方いませんか?😅
でも、それこそが押井 守 作品の味、特色と言って良いと思うのです。
逆に一度見ただけで
内容もテーマもわかりやすい、見たあとに、「あー面白かった!」
だけで終わる作品はむしろ
押井守”らしくない”
と、僕は思っております。笑
まとめ:ちょっと古いけど今見ても十分面白い!
というわけで
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)
の感想でした。
映画が公開されたのは1995年でもう25年経つのか…!
この作品は「マトリックス」を作った
ウォシャウスキー兄弟に大きな影響を与えたということでも有名になりましたね。
日本のSFアニメ作品は国内より海外で評価を受けるケースが多い気がします。
それとも
国内での評価を僕があまり
目にしていないだけなのかな?
まあ、評価は人がするものですし。
自分が面白いものは面白いと言えば良いわけですし。うむ。
今見ても十分面白い作品だと思います。
むしろ、AIが実際に運用され始めている今でこそ、面白く見ることができるかもしれませんね。
そんなわけで、
ハードでシリアスなアニメって無いかな?
ちょっと古くても良いから、面白いSFアニメ作品を教えて!
人と情報の関わりみたいな社会的な課題を取り扱った作品が観たい!
というアニメーション作品をお探しの方。
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)
はいかがでしょう🙂
Amazon Primeでレンタルでも見れますよー👍