今日の記事は絶賛公開中の劇場アニメ作品
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の感想です。
趣味全開です。笑
- 話題になってるけど閃光のハサウェイ、面白い?
- いい年の大人がロボットアニメの映画なんて楽しめるかな?
- ハードでシリアスなSFアニメ作品って何か無い?
- ガンダムあんまり知らないけど見に行って良い?
そんなアナタにオススメの今日の記事。
[box02 title=”この記事を読めばわかるコト”]
・閃光のハサウェイの面白かったところ、惜しいところ
・見に行ったほうが良いか、そうでもないか
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閃光のハサウェイ、結局どうだった?
一言で言えば「面白かった!見て損はなし!」です!
何がどう面白かったか?というと。
- まるで洋画のような小洒落た雰囲気と会話劇
- ロボットは前面に立たず、主軸は人間ドラマ
- 現代的でカッコいい楽曲
- でも間違いなく「ガンダム」してた!
って感じですね。
一つずつ紹介しましょう!
まるで洋画のような小洒落た雰囲気と会話劇
ここは僕があーだこーだ言う前に本編見てしまったほうが早い!
冒頭15分ほどがなんと無料で公開されていますのでこちらをどうぞ!
どうですか?この雰囲気。
幕開けは静かな、でもどことなく「何か」が始まりそうな不穏な空気が漂う。
そしてテロリストグループが襲撃するシーンで
場面は急展開を迎えて物語が動き出す。
もうここまでで引き込まれますよね。
会話も全部を説明せずにちょっと言葉足らずで余韻を持たせてある。
それでいて、世界観が分かる程度にセリフで状況説明がされる。
僕はこの冒頭の「静」から一気に「動」のシーンの流れに「なんだかハリウッド映画の冒頭のような掴みだな!」
とワクワクしました。笑
裏にあるテーマも
「環境汚染が進む地球と何も進歩しない人類をどうするか?」
という現代の社会問題と共通するものがあります。
大人が見ても十分共感できるテーマかなと
モビルスーツはスパイス。主軸は人間ドラマ
作中では花形でもあり、代名詞的なロボットであるモビルスーツは前面には立たず、あくまで主軸は人間同士のやり取りで物語は進みます。
「ロボットは添えるだけ」というような位置づけ。
ロボットアニメの作品で最も重要な点は、「ロボットが存在するリアリティーどう演出するか」
ということ。
この点、さすが日本を代表するロボットアニメ作品、ガンダムシリーズというところ。
「日常にあるモビルスーツ」を上手く見せていました。
劇場で見てるうちに、僕はこのハサウェイの世界が現実の世界のどこかの地域にあるような気さえしました。
「ロボットは人々の日常にちょっと延長しただけのもの」
という描かれ方をしている作品は好きですねー
楽曲が現代的でカッコいい!
そして、楽曲。
楽曲がカッコいい。まじでカッコいいんですよ。
まず、オープニングテーマ。
Hiroyuki Sawano feat. mpi & Laco & Benjamin「Möbius」 – YouTube
この大きな何かが静かに動き出しそうな雰囲気。
劇場で僕は高まるワクワクが抑えられませんでした。
期待感たっぷりでしたね。
そしてタイトル「Möbius」(メビウス)というのがニクいですね。
前日譚になる「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」を見た人ならわかると思いますが逆襲のシャアのエンディングテーマが「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」というタイトルなんですよ。
澤野氏はこういうところ、「ホントわかってるなー」と思いますねー。
次に、挿入歌。
Hiroyuki Sawano feat. Benjamin「TRACER」 – YouTube
この挿入歌、ストーリーが動き出す
中盤のシーンで流れるのですが、もうシビれましたね
めっちゃ”アガる”のでぜひ本編をご覧いただきたい。
楽曲を手掛けるのは「機動戦士ガンダムU.C.(ユニコーン)」からおなじみ、澤野弘之氏。
澤野氏はホントすごいですね。
壮大な世界観に合わせて壮大な楽曲。
戦闘シーンを躍り上げるダンスミュージックのような楽曲。
そしてどれも映像とマッチしている。
僕は音楽が苦手なので感心するばかり。
エンディングテーマは[Alexandros] が歌う「閃光」。
[Alexandros] – 閃光 (MV) – YouTube
これもまためっちゃカッコいい!
この曲がエンディングで流れるわけですが。
三部作の一作目として「作品が一区切りした」という雰囲気をもちつつ、さらに「これから(第二部、第三部)に向けて次の始まりを予感させる」
楽曲に仕上がっていたと感じました。
(※映画閃光のハサウェイは全三部作)
澤野さんにしても、アレクサンドロスの皆さんも
お作りになった楽曲が本作をさらに一段高い映像作品に高めていたと思います
でも間違いなく「ガンダム」してた!
洋画のような雰囲気やセリフ回し。
モビルスーツが前面には出ない。
現代的でおしゃれな楽曲。
でも。
やっぱり「ガンダム」だったんですよ。
ガンダムといえば、どこか時代がかったと言うか、独特のセリフ回しが特徴ですよね。
なんというか「文章の先頭か、最後かを削った」ような感じ。
「(私を)バカにする!」みたいな。
これはレーン・エイム役の斉藤壮馬さんも言っていますね。(10:15くらいのところです)
余談ですがこのハサウェイ役の小野賢章さんがMCを努めている
「ハサウェイズ・レポート」はキャスト陣などの関係者にインタビューをしているシリーズです。
全部面白いので興味ある方はぜひ全部ご覧ください。
ケネス役の諏訪部さんはイケボな上にユニークで、ギギ役の上田麗奈さん可愛すぎでした
このセリフ回しはガンダムっぽい。
そして、作品タイトルにガンダムの名を冠しているようにもちろん満を持して人型ロボット、モビルスーツ「ガンダム」も登場します。
本作の主役機、クスィーガンダムが戦場でどう暴れまわるか。
対峙する敵機、ペーネロペー。今回は敵役もガンダムです。
人型の大型ロボットである、モビルスーツ同士が戦うさまは、「やっぱりガンダムなんだよなあ…!」と思うこと必至。
特に、クスィーガンダムの登場シーンは鳥肌モノ。
ほんとーに劇場で見てほしい
「2021年にクリエイターが本気で作ったガンダムはこれだ!」
という気合が感じられること間違いなし!です。
ここが惜しいぜ!閃光のハサウェイ
さて、オタク特有の好きなことは早口でしゃべる感じにいいことばかり話しましたが、とうぜん「ここが惜しいなー」と思うことはあります。
- 劇中の盛り上がるシーンがほぼ夜
- ニュータイプたちの会話劇についていけない
- キャラの心理描写が若干端折られている感じ
劇中の盛り上がるシーンがほぼ夜
モビルスーツが戦うシーンがほぼ夜。
画面が暗くて、何が起きているか分かりづらかったかなーと。
ただ逆に、爆発や、ビームライフル、ビームサーベル、モビルスーツのモノアイなど、発光する部分は際立って見えたので、今回はそういう演出をしたかったのかもしれません。
個人的には僕は許容範囲でしたが、人によっては気になるかもしれませんね。
ニュータイプたちの会話劇についていけない
ガンダムシリーズの登場キャラクターは「ニュータイプ(誤解なく解りあえる者)」と言われる
超能力者のように、他者の感覚を感じ取る人間が登場します。
少なくとも
主人公である「ハサウェイ・ノア」、ヒロイン「ギギ・アンダルシア」はニュータイプだと思って間違いないでしょう。
もしかしたら敵役の「ケネス・スレッグ」もそうかもしれません。
彼らニュータイプは僕たち視聴者がわからないところで
解り合ってしまう。
二人が何を話しているのか、何を感じたのか、言葉だけのやりとりでは、よくわからないまま会話劇が進みます。
この辺は視聴者を置き去りにしていた感は否めませんね。
詳しく知りたい人は原作小説を買ってね、ということか。
これはちょっともったいないところですが、そうかと言ってキャラクターに言葉で説明させてしまうと、一気に野暮ったくなるし、尺も足りないという…。
小説版は出版が30年前も前ですし、漫画版の方が良いかな?
キャラの心理描写が若干端折られている感じ
キャラの心理描写がちょっと端折られていたかな、と。
ハサウェイとギギはまだ良いのですが、
ケネスがギギに執着する心理がちょっとよくわからなかった。
本作は基本的にこの三人を中心に展開していくはずなので、このあたりの心理描写は補足がほしいところ。
2作目あたりでフォローがあると嬉しい。
ただ、過去の記事でも書きましたが、心理描写をあまり回りくどく描くと映像作品としては下策なのは僕も理解できます。
https://www.suan-mosaku.net/2019/06/22/movie-rv-gyasatsu-kikan/あえて説明不足にして、視聴者が推し量ることで
作品に深みが増すこともありますし。
この辺も難しいところですね。
ガンダム良く知らないけど見に行っても大丈夫?→全然OK!
閃光のハサウェイの
良いところ、悪いところ
いろいろお話しましたが、「ガンダムってあんまり良く知らないけど見に行っても大丈夫?」
と思っている人、いませんか?
答:全然だいじょうぶです!
ただし、話についていけない可能性は覚悟してくださいね。
歴史あるガンダムシリーズの最新作ということで、専門用語や物語の背景事情など、知らないとわけがわからないこともあると思います。
でも、思い出してみてください。
「内容はよくわからないまま、映画やアニメのストーリーに引き込まれて、何度も同じ作品を見た経験」って、誰しもあると思うんです。
本作は映像作品としての重要なポイント、
- 物語の起承転結
- テーマ
- アクションシーン
これらは普遍的な構成になっていると思ったので、細かいところは知らなくても大丈夫!だと僕は思います。
映画見たあとで
興味が湧いたらあれこれ調べてみてくださいね
きっとガンダムの世界にハマると思います。
なにより、閃光のハサウェイ、すでに数多くの人が見てる作品になっていますし、興行収益も調子良いみたいですよ!
気になる閃光のハサウェイの興行収益はどんな感じ?
さて、いくら僕が「ハサウェイ面白いよ!」と騒いだところで実際問題、お客さんが入っていなければそれはそれで問題です。
で、気になる閃光のハサウェイの興行収益ですが。
…どうやら絶好調のようです!
33年ぶりとなる快挙!『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』興行収入10億円突破! | GUNDAM.INFO
ガンダムシリーズ作品で興行収入10億円を超えたのは、1988年に公開され、興行収入11億3000万円を記録した『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以来33年ぶりとなる快挙となる。
GUNDAM.INFO
https://www.gundam.info/news/video-music/01_4661.html
33年ぶりの快挙とはすごいですね!
ファンの人達の期待値も高くなっていたでしょうに。
製作陣、キャスト陣が見事にその期待に応えた証だと思います!
実際に面白かったですし!
まとめ:大人が見ても十二分に楽しめる「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」!ぜひ劇場へ!
というわけで閃光のハサウェイの感想でした。
劇場で見てきて、興奮冷めやらぬうちに「こりゃー面白い!記事にしよう!」
と思った次第です。
全体的に大満足でした!
「人型兵器」ってSFアニメの題材になりやすいですが、リアリティーを出すのって意外と難しい。
どうしても、ガジェット的なオマケになりやすい。
「人型ロボット、物語に必要だった?」
と思われちゃったらダメですし。
その点、本作は大型の人型ロボットであるモビルスーツを「現実世界にあったらこういう風に存在し、運用されているはず」
を描いていたのは良かったですね。
ガンダムシリーズという歴史ある作品に甘えず。
もっとモビルスーツをガンガン出して、ドンパチさせてしまば絵面的には映えるでしょう。
そこをあえて、人間ドラマを主軸にし、戦闘シーンは主に夜間戦闘が中心。
今回、僕が今まで見てきたガンダムシリーズの中で
本作が最も一線を画していたと感じたところは
「生身の人間が見たモビルスーツの重量感、巨大さをしっかり描いていた」
ということ。
高さ20メートル近く(6階か7階建てのビルくらい)の人型の兵器が町中で格闘するのが生身の人間にとってどれほどのインパクトがあるのか。
そういう
地味なところを、しっかり描いていたことって、過去のガンダム作品ではあんまり無かった描写かなと。
それはつまり、「人形兵器がある世界に、強いリアリティーをもたらしていた」
ように僕には感じられた。
コクピットから見た
夜の市街地の風景も見応えありましたね。
まるで自分がモビルスーツに乗って降下しているような浮遊感。
細かいところですが僕はそういうロボットアニメにリアリティーを出すために力を入れている作品、好きなんですよねー。
キャスト陣の津田健次郎さんも
モビルスーツの描写について言及されていますね。(26:35くらい)
今回、キャスト陣の皆さんもホントに素晴らしかったです。
本作でハサウェイ役は小野賢章さんで、逆襲のシャアの佐々木望さんから変更になっています。
並々ならぬプレッシャーもあったことと思いますが、「ハサウェイというキャラクターはナチュラルに壊れている、ナチュラルにチグハグ」
というアンバランスでアンビバレンツな役柄を見事に演じきっていたのではないでしょうか。
小野賢章さんご本人も
「芝居やってて全然しっくり来なかったけど、そのしっくり来なかったのが逆に良かったのかも」とおっしゃってますね。
これは2作目以降も期待大
余談ですが佐々木望さんについてはちょっとしたサプライズも本作で判明しましたね。
というわけで、閃光のハサウェイ。
ロボットアニメとかSFとか
そういうジャンルとかはこの際、忘れてOK、
気になっているならアナタもぜひ劇場へ!
見て損はない、素晴らしい映像作品に仕上がっていますよ!
上映中の劇場はこちら!
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公式サイト より
http://gundam-hathaway.net/theater.html
劇中のセリフを借りるなら
「見に行っちゃいなよ!そんな映画なんか!!」
[jin-iconbox01]もちろん劇場にはマスク、手の消毒など
感染症対策はバッチリで行きましょうね👍[/jin-iconbox01]
「劇場に行けない!」という人は、Blu-rayがすでに販売されております!
ぜひお買い求めくださいね👍
SFアニメが好きなアナタにオススメの記事はこちら!
ロボットが出てきても
出てこなくても、
SFアニメ、良いですよね
他にもSFアニメについての記事を書いてみましたので
ぜひご覧ください!
ちなみに虐殺器官(2017)は閃光のハサウェイの監督と同じ、村瀬修功氏です。
「SF世界においてリアリティーを出す」ことに長けている監督さんですね。
https://www.suan-mosaku.net/2021/03/11/sf-3-obsolete/ https://www.suan-mosaku.net/2019/06/23/movie-rv-ghost-in-the-shell/